ロクイチの思い出

私の通っていた大学では、学年を表す際に入学年度を用いた呼び方が広く浸透していました。たとえば、昭和61年度に入学した学生は「61(ロクイチ)」と呼ばれ、昭和63年度に入学した学生は「63(ロクサン)」と呼ばれていました。この呼称は単なる識別のためだけではなく、大学内での上下関係を表す重要な指標としても機能していました。

興味深いことに、この上下関係の基準は、年齢や経験、さらには浪人や留年といった学業の履歴に関係なく、一律に入学年度によって決定されていました。卒業後においても、この入学年度に基づく上下関係の概念は残り続けます。

 

ただし、このような慣習や文化は大学が公式に定めた規則ではなく、学生間で自然と受け継がれてきた非公式の慣例でした。