紅白梅図屏風に思う生きとし生けること

俵屋宗達に強いあこがれを持ち、「風神雷神図屏風」を模写した尾形光琳です。

しかし俵屋宗達「風神雷神図屏風」への答えは、この紅白梅図屏風にありました。

二曲一双の屏風に左隻の白梅は左上に切れ、右隻の紅梅は右横に切れています。

これは、俵屋宗達「風神雷神図屏風」の構図です。

紅梅は若く、年老いた白梅の幹は一部のみで屈曲した枝が描かれています。

そして紅梅と白梅の間には、右上から左下に流れる川が描かれています。

この川は、時の流れ。

命の長い梅においても、やがては老い朽ちていく。

生きとし生けるものは、老いやがて死を迎えます。しかしその時の流れの中でも生命は育まれ、命はつながっていきます。

俵屋宗達「風神雷神図屏風」、尾形光琳はそこに生きるということ加えました。