それから

明治のニートの話です。もちろんこの時代、ニートという言葉は存在しません。

資産家の息子、代助は生活のために働くことを否定しています。思索にふけり趣味に時間を費やすことを良しとしております。働きなさいとの忠告も「印度人が外套を着て冬の来た時の用心をするのと同じこと」と聞く耳を持ちません。

親友の妻、三千代との再会が代助に冬をもたらします。