成熟とは曖昧さを許容し生きていく能力のこと。心理学者、フロイトの言葉です。
私がよく行っていたうどん屋には、“ぬるいうどん“というものがありました。水でしめた冷たいうどんに温かいツユを張ったものです。若かった私は、うどんは冷たいか熱いかの二択だろうと決して頼みませんでした。しかしある時、おそらく二日酔いで食欲がなかった時、ぬるいうどんを頼んでしまいました。食べてみると麺の触感、ツユの味も引き立ち、とても美味しくいただきました。ぬるいという曖昧な温度域に粋を感じました。
これであいまいさを考え、許容できるようになっていれば、私の人生は変わっていました。その後は、冷たい、熱い、ぬるいの三択になっただけでした。
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